集束超音波治療とは

集束超音波治療はFUSと呼ばれている治療方法になっています。このFUSはMRIの画像モニターによって患部の確認をし、その幹部に向かって超音波とMRIの磁力だけを用いて幹部を焼灼するという治療方法になります。患部の温度上昇の状況は常にMRI画像を確認しながら行うため、リアルタイムで把握することが可能です。



集束超音波治療で用いられる超音波という技術は、毎秒1秒6千回以上の振動を行う音波で、人の耳には音として感じることはできませんが、非常にエネルギーを持つ振動になります。集束超音波というのは多数の超音波のことで、この多数の超音波を患部に集中させて、超音波がもつ振動エネルギーを熱エネルギーに変換させることによって、患部を焼灼するというものになります。焼灼された幹部は組織自体が壊死を起こし小さくなりますが、完全になくなるわけではありません。

日帰りでの治療が可能になっていますが、現在公的保険制度の適用外の治療となっているため、費用は全額自己負担となってしまう治療となっています。子宮筋腫をはじめ、乳がんの治療などにも用いられています。

集束超音波治療は子宮筋腫に役立ちます

子宮筋腫は子宮の筋肉から発生する良性の腫瘍で、子宮筋腫があるからといって必ず切除などの治療を行わなければならないという疾患ではありません。ただ、大きくなると骨盤内の内臓を圧迫してしまうことでさまざまな症状を引き起こすことがあるため、子宮筋腫は経過観察が必要な疾患ということができます。



集束超音波手術は子宮筋腫を完全に取り除くことはできない治療法になりますが、体に大きな負担をかけずに子宮筋腫を小さくすることが出来るため、子宮筋腫の治療方法としては有用な方法と言われています。ただ、この集束超音波手術の問題点としては、現在公的医療保険の適用外の治療法であるため、医療費は全額自己負担になってしまうという点があります。



また、現在集束超音波手術を受けることが出来る病院もまだ非常に少ないということも問題点ということができます。この集束超音波手術はMRIで患部を確認しながら行う手術になりますので、MRIを持ち、さらに集束超音波装置を必要とします。治療法としては良いものになりますが、まだ広く普及しているとまでは言えないのが現在の状況です。

集束超音波治療で子宮内膜症も治療できるのか?

子宮内膜症は子宮内膜とよく似た組織が子宮以外の場所に増殖・剥離を繰り返す病気で、20代から40代の女性に急激に増えている疾患になります。この子宮内膜症を集束超音波治療で治療を行うことはできるのでしょうか?子宮筋腫の組織に対して体の外側から複数の超音波を収束させて充てることで焼灼する治療である集束超音波治療によって、同じように子宮外にできてしまった子宮内膜症を焼灼してしまえば良いのではないかと考える方もいるかもしれませんが、子宮内膜症については集束超音波治療の適用外となっています。



子宮内膜症の場合、その範囲が子宮筋腫と比べると非常に広範囲にわたることも多く、超音波を集束させて行う集束超音波治療には向かない方法ということが出来ます。また、広範囲に対して集束超音波治療を行えば、当然非常に高額な治療費が必要になってきてしまうということを考えると、金銭的な面でもこの治療が子宮内膜症には向かないということが分かってきます。今のところ子宮内膜症については集束超音波治療は適用外であり、治療方法としてはあまり向いていないものということができます。

集束超音波治療が乳がん治療に役立つのか?

乳がんの治療というと乳房を切除するというイメージがありますが、最近では乳房を切除せず乳房を温存するという治療法が選択されることが多くなってきています。この乳房温存で乳がんの治療を行う時には、メスを使用した手術によって乳房温存を行う方法、ラジオ波焼灼治療といってラジオ波によって主要を焼灼する方法、そして集束超音波手術があります。



集束超音波手術は熱によってがん細胞を死滅させるものになります。MRIを利用してがん細胞の位置を正確に特定しながら超音波を照射して、がん細胞に熱ダメージを与えていくことによって、がん細胞を焼灼することによって死滅させるという方法になります。治療時間は2時間から2時間半ほどですみ、日帰り治療も可能になります。

ただ、集束超音波による治療を行うためには、腫瘍の大きさが1.5cm以下であることや、乳がんの進行度が0〜1期であること、保険適用外の治療になるために全額実費治療になるといったデメリットもあります。子宮筋腫の治療方法としては普及を始めているものの、乳がん治療においてはまだ臨床試験の段階となっています。

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